ロレックス・ティファニー ダブルネームの偽物?

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ロレックス デイトナ Ref.6265
コスモグラフ デイトナ Ref.6265 ティファニー Wネーム....だけど





 このデイトナ Ref.6265は、以前私が所有していたものです。

 この時計は、残念ながら本物の ティファニーダブルネームである といった確証を得ることが出来ず、逆に言えば、はっきりと偽物であるといった判断も出来ない訳なのですが、ハッキリしないのはイヤで(ハッキリさせる手段 もこの時計の場合は無くて)、この時計は、残念ながら手放してしまいました。


 現在では、ロレックスもティファニーも鑑定に類する業務を行っていないと 言われていますので、公式な意味での真贋鑑定をする方法が無い状態となっています。
 それでも、ほんの一時期に、どういった気まぐれか日本ロレックスでは、出荷先の確認をして (米国・ティファニーへ卸したモノのであるかの確認をジュネーブへ問い合わせをする、建前は、あくまでティファニーのWネームの真贋鑑定では ありません)、出荷先に疑問があれば、文字盤の改造品として、オーバーホールを断る(真贋鑑定でないので、Wネームの偽物か本物といった 断言はせずに)といった事例もありましたが....

 以前あったような、 取って付けたよう、稚拙なフォントによる「ティファニーのロゴを文字盤に後載せ」や、「年代考証が明らかにおかしなティファニーのロゴ」といった、 文字盤改造をしたティファニーのWネームを見かけることは無くなりましたが、これも 逆に言えば、昔ならば文字盤にあるティファニーのロゴ・書体と書きっぷりで 真贋の判断材料として、多少なりでもアテには出来たこともありましたが、今は、 それすらも出来なくなってしまった、極めて 精巧な贋作が出回っているということでもあります
 まあ、所詮は、ティファニーのロゴが文字盤に追加されているだけだし、こんなに作るの が楽な偽物も無いですよね。 現状では、時計の文字盤を見た限りでの真贋の判定は「かなり難しい」と思われます。

 一方で、購入した時のメーカー、や ティファニー発行 の保証書や、ティファニーが後に発行した真贋の証明書も、実物は「単なる紙の印刷物」であると言う点において、やはり偽造が 容易に可能であるとも言われています。  

 保証書の類(とくにROLEX発行のモノ)は、 書面に 独特の色柄模様や パンチング(さらに目に見えない特殊加工)等の手の掛かる加工が施されており、もし偽造をするならば、それなりの手間がかかると思われます(保証書の デザインにおける年代考証も含め、 緻密に調べ上げなければ、偽造は不可能と は思えません が....かなりの手間と知識が必要となるでしょう)。
 一方、真贋判定の「証明書」の類は、保証書と違い特別にあつらえた書面を使うわけではないので、その証明書自体の真贋は?と疑問が 残るかと思います(一応、証明書と呼ばれるモノの類は、ティファニーの透かしが入った専用の紙を使うのが常の様なので、透かしの入った証明書ならば、本物 と考えても良さそうですが....これも、気休め程度かと思います。実際、雑誌等では、偽造証明書の手口が報告されていますね、ティファニーの透かし入りの専用の紙を何らかの 形で手に入れたか、あるいは、透かし入りの紙そのものを偽物として作ったか?!)

 その時計の「出自がハッキリと現在も確認できない」、 アンティーク・中古で、今、店頭に並んだ経緯がハッキリせず「出自が信頼出来ない 場合」は、 付属の保証書や証明書も、現状ではアテにはしにくい状況といえるかも。
 証明書へも疑問が残るとなると....どうすれば....


 証明書等のティファニーが発行した各種書類には、米国・ティファニーに て鑑定やオーバーホール等の業務を請け負った際の、「受付番号等」が書面に記載されています。

 その書面の番号と、 該当する時計のリファレンス・シリアル番号にて、米国・ティファニーへ 直接問い合わせをして、業務記録の照合を取ることが出来る可能性があります。 つまり、照会をかけて事実関係の裏付けを得ることが出来なければ、その鑑定 証明書やオーバーホール等の伝票は、本当に ティファニーが発行した ものであるのかは、疑問符がつく状態になると個人的には思えます。

 逆に言えば、「受付番号等」で、確かにティファ ニーの発行した書類であること、該当する時計が、ティファニー で「確かに」受け付けされて、当該の時計への業務が行われている記録の裏付けが 取れればイイ訳ですね。


 ちなみに、米国・ティファニーでは、 近年のことならば受付番号の類できちんと業務が記録・管理されているので、該当する時計が、いつ何の業務をティファニーで受け付けたか、 いつ業務を完了したか、 いつ DHL等 で返送したかといった類の情報まで、細かな記録が判る様になっていまして、米国・ティファニーのカスタマー・サービスへ直接 問い合わせ・照会を行うことで、回答を貰うことが出来る可能性があります。 少なくとも私の ROLEX DateJust(ロレックス・デイトジャスト) では、手元にある記録から、ティファニーへ直接照会をして、きちんと確認して裏をとることができました。
 そんなわけで、私のデイト・ジャストに関しては、なんら制約を受けることなく、 米国・ティファニーにて 面倒をみてもらえることを確認しました。 まずは、一安心。

 事実関係の裏付けを取る作業であるので、他人・第三者を介したりせず、自分自身で直接、米国・ティファニーへ問い合わせしないと意味を 成さない事でありますし、多少なりとも時間と努力が要る事ではありますね。 でも、これは、頑張る価値はあるかと。

 とまあ、デイトジャストは問題無しでしたが、 デイトナ Ref.6265 は購入時に、メーカー保証書なし、ティファニーの証明書類なし、オーバーホールの記録は日本ロレックスの伝票のみといった状態で、また、購入した お店もティファニーへの特別な伝手もなくて、本物であることを確認する突破口を見出せず、購入時期も「ちょうど偽物が世間を騒がしだす」1年ほど前の購入 だったりして、 なんだかモヤモヤするのもイヤで手放してしまいました。


P.S.
 一時期に、比べると、粗悪な偽物(時計はアンティークなのに、ティファニーの文字は現在使用されているロゴ・フォントを「取って付けた」ようにプリント されているとか)は市場から消えた という実感がありますね。 
 購入者の目が肥えてきたことで、不出来な偽物は淘汰されているとも言え ますし、また、勝手に文字盤にブランド名を記載することは、当然、商標権の侵害といった問題にもなりかねませんし、万一、偽物であることが判明すれば 販売店へのクレームとなりますし、信頼も失墜します。 扱うショップとしてはリスクの高い商品と言えますね。 
 少なくても時計の専門店では、「えっ、何これ」みたいなのは、もう見かけませんね(でも、時計の専門店でないと、まだまだ「へんなの」ありますね〜、 Wネーム以前に本体が色々と改造品で、そもそもメーカーのオーバーホール受けられなさそうなヤツ、というか本体がそもそも本物か? 仮に本物でもガッチャマンでは? というか 中見せろ!  といいたくなるような突込みどころ満載なのありますね

 そんな訳で、最近は、そもそもショップ (時計専門店) では扱わないか、よほど出自がハッキリしている自信 の持てる商品でないと 扱わないといった感じですね(そのかわり凄く高価だったりして)。
 また、扱う場合に、本物であるか確認出来ない場合は「その旨をきちんと説明」の上で、Wネームとしてプレミア価格を付けない、「それなりの妥当な価格」 だったりもします。 いずれにせよ、現状では、店頭でダブルネームを見かける機会はめっきり減ってきた感じがありますね。  

 ティファニーのWネームの粗悪な偽物は、いまは 多少の 淘汰されてきてはいるようですが、それでも、今後、どうしてもダブルネームが欲しいという方は、細心の注意を払って、念入りに検討をしてくださいね。


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