ロレックス・デイトナ Ref.6263 謎の記号"σ"考

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ロレックス 手巻き デイトナの文字盤に希に見かけるσ マークについて....
せっかくなので情報をとりとめもなく綴ってみました

ロレックス デイトナ Ref.6263

上記は、ロレックス デイトナ Ref.6263です。 この写真ではなんだか判りませんね....以下で、6時位置を拡大してみましょう。 


ロレックス デイトナ シグマ σ

上記の写真は Ref.6263 のダイヤル拡大写真です。 赤丸の中に注目! この記号は?
ちなみに、かつて所有していた、T&CO.WネームのRef.6265 も実は謎の記号付きでした


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 謎というには大げさですが....私の ロレックスコスモグラフデイトナ Ref.6263 の(また、かつて所有していたRef.6265の)ダイヤルの6時位置側、夜光の素材(トリチウム)と製造国 (スイス)を示す記載、"T SIWSS T"、いわゆるTマークの の左右に見かける、 D とも ○ とも見えるこの記号....一体どんな意味があるのでしょうか。 実はこれ、 σ (ギリシャ文字の小文字のシグマ) とのこと。 ちなみに、「ワールド・フォトプレス社」刊の 「世界の腕時計No.8」のP.22にある、ペルー空軍のデイトナにもσが見受けられます。

 ネットで教えて頂いた情報や、アンティークのパテック・フィリップ等の取扱で定評のある専門店さんによりますと、このσ(シグマ)マークダイヤルのインデックス等に貴金属(金とか)が使用 している事を表しているそうです。 そうるすと、私のデイトナRef.6263やRef.6265の場合はインデックスは白色の金属なので、 ホワイトゴールド もしくはプラチナが使われている のかと推察されます。
 また、σ(シグマ)以外にも同等の意味を持つ記号として、Δ(デルタ)や□も使われていたそうです。

 でも、同じデイトナRef.6263や Ref.6265で、σ(シグマ)が 入っていないダイヤルの 場合は、その素材はどうなのでしょうかね....まさかインデックスが、ステンレスとも思えませんし、もしステンレス等の廉価な素材も使われているという ことになると、 同一のモデルのデイトナのダイヤルでもハイグレードモデルと廉価なモデルと2種類あった?とも言えますが、少なくともロレックス・デイトナ Ref.6263やRef.6265に関しては、同じデザインの ダイヤルで、そう言うグレードの違いがある話って聞きませんよね。 
 また、σ(シグマ)マークの有無で、ダイヤルの価格に差があることもありえるかと思いますが、そんな話も聞いたことありませんね..... うーん、例えば、ダイヤのインデックス入りの文字盤ならば見た目で、すぐに判別出来て目立つけど、金属のインデックスの違いだけでは、素材の違いが区別し 難いですし、目立つ存在ではないので、 時と共に価値や価格の差が忘れ去られてしまったのでしょうか?.....まさか、それはなさそうですが....

 私なりに推察すると、σマークは素材の識別という意味 だけではなく、ダイヤルを製造していたメーカーは特定の一社と言うわけではないので、メーカーの中のどこか特定の会社や団体のみが、文字盤に使用されている素材の識別の為に、採用していたマーク なのかな?なんてことも考えられるかなと。

 σ(シグマ)マークは、ロレックスの場合ですと、 ’70年代 ごろのアンティークのデイトナとデイトジャストといった限られたモデルの中(どちらのダイヤルフェイスも細めのシンプルなバーインデックスを採用)に おいて、 希にσ(シグマ)マークを見受うけることが出来きます。 ロレックスの場合は、特定の時期のモデルにのみ見受けられるためか、 「XX周年といった、何らかの記念に入れられた記号では?」といった推察をする、 前出の素材説とは別の見解を述べる専門店の方もいたります。

 しかし、ロレックス以外のメーカーですと、特定の 年代にσ(シグマ)マークが散見するということにはならず、例えば、 パッテック・フィリップ の場合では、調べて見ると、以下のようにσマークが各年代にて散見できます。 

1937年 Model.471 bi- coloured (長方形のケース、ラグの形が面白い)
1951年 Ref.1593 アワーグラス (風防に特徴あり、人気が高いですね)
1956年 Ref.2484 名称不明 (カラトラバの一種かな!?、インデックスはダイヤ)
1951年 Ref.2441 名称不明 (現行パゴタの元になったモデル)
1953年 Model.2514 名称不明 (正方形のケース)
1967年 Ref.3448 名称不明 (パーペチュアルカレンダー、デザインはトリプルカレンダー風)
1970年 Model.3585 名称不明 (トノー型のケース・正方形に近い)
1974年 Model.3546 ゴールデン・イリプス (ラグがあって、現行とは少し違うデザイン)
1982年 Model.3776 Grecque (長方形のケース、ダイヤのインデックス、シノワリー!?な模様のサークルラインあり)
1981年 リファレンスなし 名称不明 
       (文字盤、ムーブメントにシリアルNo. 866505と入っているトゥールビヨンモデル、特注品か試作機かな....)
1985年 Ref.3940 名称不明(針がいっぱい付いたパーペチュアルカレンダー)
1997年 Ref.4900 パゴタ (現行品の婦人物、インデックスはダイヤ)

 また、バセロン・コンスタンチン (バシュロン・コンスタンタン)の場合でも、アンティークウォッチから現行品に至るまでにσ(シグマ)マークは散見できます(暇を見つけて、その実情を 細かく調べたいな〜)

 パテック・フィリップの場合は、どんなに古いもの でも メーカーにて修理・オーバーホールをしますから、古い年代のものでも、近年においてメンテナンスの為にメーカーにて純正部品のダイヤル交換された際に、 σマーク入りに 交換されているとも考えら れますので、現状を見ただけでは、一概に’30年代からσ(シグマ)マークが使われているとは言い難いところが難点ではあります。
 実際、前出の専門店さんのお話ですと、どうやら’70年代ごろからσ(シグマ)マークがダイヤルに見受けられるとのことです。
そうなりますと、’70年代から最近のモデルにσが散見出来るわけですから、特定の時期に関連するような、何かの記念という説は薄そうな気がしますね。

 やはり、「ダイヤル素材の識別の為に、 一部のダイヤル製造メーカーが限定的に使っている(使っていた?)」、という所に落ち着くのかと思われます。
 小さくて目立たないが、特定の機種(デイトナとデイトジャスト)で、かつ限られた時期のモノにしか無い特徴なので、最近はレアなポイントとしても注目を されてきているみたい....σマークのプレミアム化も必然か....

P.S.
 謎の文字盤ネタと言えばσ(シグマ)以外にも、エニカもネタになるかと、詳しくは、コチラ
 アンティークウォッチの謎、その深淵に触れることが (w


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