Watchなページの歩き方
専門?!用語を羅列されても「よくわかんない」という方のために....
基本的な用語集の作成を考えてもみましたが、基本的な用語解説はよく見かけますし、当サイトに登場する、いきなり登場する、あまり基本的では無さそうな
用語の説明をしてみたいと思います。
多分に主観的ところもあるので「まじめな」用語集とは捉えないで下さい....
というか、私が「ぐだぐだ」と言いたいこと言っている場に
なりつつあります が (^^;)
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LMH
LMHは、鉄鋼業を中心としたドイツの「マンネスマン財閥」の傘下にあった
時計メーカーの企業グループです。 IWCとジャガー・ルクルト、復活したランゲ&ゾーネがグループの傘下にありました。
一見、時計とは(鉄鋼とも)無縁とも思える、'00年にボーダフォンが仕掛けた通信業界の再編劇に伴い、マンネスマン財閥が事実上の解体となり、LMH
も身売りをすることになりまして、その動向について時計業界の注目をあびました。 IWC、ランゲ&ゾーネの技術力・ブランド力のみならず、注目は、
高い評価のエボーシュメーカーであるジャガー・ルクルトを誰が、その手中に収めるかで盛り上がっていたようです。
で、LMHを手中に収めたのは、高級ブランドの一大コングロマリットである
リシュモン
でして、現在にいたります。
世界中で目が回る程の速度で、時計関連のみならず、あらゆる
M&A、業界の再編・勢力図の変化が、日夜
繰り広げられています。 まさに、人もモノも資本も境界の 無い、グローバル化時代の到来ですね。
LVMH
LVMH (
LVMH MOET HENNESSY
LOUIV SA) は、日本で大人気の
ルイ・ヴィトンと、高級なお酒で有名な
モエ・ヘネシーという、異色とも言える組み合わせで誕生したフランスの高級ブランドのコングロマリットです。 時計メーカーでは、
タグ・ホイヤーや、
ゼニス等
が傘下にあります。 宝飾関連では
ショーメ、ファッション関連では、
ディオールや
フェンディなど、なじみのある著名なブランドを傘下にたくさん抱える企業です。 LVMHのさらなる詳細は
コチラ。
タグ・ホイヤーも、ゼニスも、LVMHの傘下になってから、かなりセンスが良くなったと言うか、ラグジュアリーな感じに変わったな〜と感じ入る
一方で、どちらも、かなり高額な価格帯のブランドになってしまいましたね。 かつての、タグ・ホイヤーに成り立てのころの
ホイヤーは割と廉価で、貧乏学生でも買えるスイス製腕時計といった感じ
でしたし.....ゼニスも今と比べれば 廉価で、あの「微妙 なデザイン」が、ある意味「ゼニスらしくて良かった」とも思うのですが....
【参考:
リシュモン,
LMH,
スウォッチ・グループ】
時計の三大ブランド
パテック・フィリップを筆頭に、
バシュロン・コンスタンタン(
バセロン・コンスタンチン)、と
オーデマ・ピゲ
の3メーカーで世界「
時計の三大ブランド」と言われることが多いですが....詳しくは
コチラへ。
シグマ (ギリシャ文字のσ)
時計のダイヤルの6時側に希に
σの文字を見かける
ことができます。 極めて極小のマークです。 この
σマーク入りの
ダイヤルの数は少なく、マークはあまりに小さく、目立たないが、どうやらレアなポイントとしての認知度がUPしている模様。
実際、狙って探さないと見つからない特徴だし以外と見つからないので、プレミアム化の傾向かと....
σマークの意味についての詳細は
コチラ。
スウォッチ・グループ
LVMH、リシュモンを載せているからには、スウォッチ・グループも外す訳にはいきません。という訳でスイスに拠点を置く、
スウォッチ・グループ(
THE SWATCH GROUP AG-BR)
の紹介です。
スウォッチ・グループは、その名が示すとおり、低価格と多彩なデザインで話題となった「
スウォッチ」のメーカーであります。が、それはこの企業グループ
のホンの一面にすぎず、年配の方には憧れであったロンジンやラドー、老若男女、誰もが知っている一流メーカーのオメガ、マニア垂涎の雲上メーカとして
君臨する、ブランパン、
ブレゲ等、数多くの時計ブランド、そして 「ETA」の様な
ムーブメントのメーカー、機械式時計では欠かせない部品である「ひげゼンマイ」を生産することでお馴染みの「ニバロックス」の様な様々な時計部品メーカー
を 傘下に擁す る、一大時計コングロマリットであったりします。 詳しい解説は
コチラ。
ムーブメントや時計部品の供給を押さえているという、ある意味、業界最強の集団とも。
公式ページ見ていたら、あの
ティファニーとも提携して
います。 いよいよ、宝飾業界へ進出ですね(2011年には、提携解消となった模様で訴訟沙汰に....)。
ブレゲを傘下におさめるまでは、ブランパンが最高峰のフラッグシップブランドだったりしましたが、最近はブレゲがフラッグシップへと取って 代わった
感がありますね。
またランゲ&ゾーネと祖を同じくするグラスヒュッテ・オリジナルも今は傘下におさめています。 雲上と呼べるようなブランドを3つも傘下に
おさめており、
その棲み分け、マーケティングってすごく微妙だと思うのですが....ブレゲ一つでイイじゃん、なんてね。(それぞれ、3ブランドとも、
ベクトルが微妙に 違うから、 棲み分けは大丈夫なのかな?、というか強引に棲み分けをさせるしかないかとも)
余談ですが、ブレゲの腕時計は、大変に美しい時計である(とくにクラシック・ラインは)と評価される一方で、ネット内においては、「機構的
には微妙な品質だよね」と言われたりして。 でも、
「それがブレゲクオリティー(笑)」、「それを、笑って許せてこそブレゲファン」なんてこと言われていたりしました(私も実感)。 ですが、
スウォッチ・グループの傘下になってからは、ずいぶんとその辺がイイ意味で変わったなんて話もあります。
でも、私も、他のファンの方々も言うように、寸分の狂い無く大量生産される工業製品でなく、職人の手による手工芸品であると解釈して、
あえて、その辺は 突っ込んではいけないかと(笑)。
【参考:
LVMH,
LMH,
リ シュモン】
スピネル
宝石の一種です。 日本語では尖晶石と
呼ばれます。
ルビーや
サファイヤと同様に指輪等の各種の宝飾品に
使われます。腕時計では、カルティエの様にリューズの先端の装飾に使われたりします。
色は、赤、紫、青、緑橙黄色、黒とあります。 赤色の
スピネルは、詳細な成分分析技術が確立するまで
は、ルビーと誤解されていた時期もあり、有名なところでは、英国王室の王冠に鎮座する巨大な"赤い宝石"「黒太子」は、長らくルビーとされて
いましたが、実はスピネルだったという裏話もあります。 もっともルビーと誤解されるのは、赤い色が似ているからのみならず、主産地がルビー
と同じ地域であったり、素人目には主成分も似ているといった特性もあるようです。
青い宝石といえば、思いつくのが「サファイヤ」ですが、私も自分のカルティエ・サントスのリューズの宝石はサファイアだと思っていました
が、実は、青色のスピネルの様です。 もっとも、一言で
カルティエ・サントスと
いっても様々でして、金無垢ケース・ブレスの最上位モデル等では、リューズの宝石が「大きな尖ったデザインの物」はサファイヤだったりもする そうです。
正直、素人の私にはスピネルかサファイヤかを、自分では区別が付けられません(笑)
セミ・クォーツ
セミ・メカニカルとも呼ばれます。
広義では、主要な駆動メカニズムは昔ながらの機械式の構造を持ちながら、ゼンマイ・テンプといった動力と調速をになう部分が、モータ・水晶
(クォーツ) に置き換わっている構造のことを指します。 クォーツ式のアナログ時計は、この方式を採用
していることが 多いです。
狭義では、クロノグラフにおいて、主要な駆動メカニズムとクロノグラフ部分は機械式であるが、動力と調速をになう部分が、モータ・水晶
(クォーツ)に置き換わっているものを言います。 ’80年代に、スイス製のアナログ・クロノグラフに多く見られた方式です。
近年製造のクォーツ式のアナログ・クロノグラフでは、集積回路(IC)が複数個のステップモーターを巧みに制御することで「複数の針」を動かして、
クロノグラフ機能を実現させている方式が登場してきていますので、セミ・クォーツのクロノグラフは、今ではあまり流行っている方式では無い(
一概には言えませんが)かと感じます。
’80年代当時は、高密度な集積回路も、高精度かつ超小型のステップモーターも時計で使うことが確立されていなかったことから、主要な
駆動メカニズムと クロノグラフ部分
(複数の針の動きを制御する機能)は従来の機械式に依存させて、クォーツ式のアナログクロノグラフを実現していたものと推察できます。 いわば過度期
の技術とも言えます。
セミ・クォーツのクロノグラフは、クォーツなのに1/2秒単位で秒針が進み、
ストップウォッチ機能における計時も1/2秒単位と、なんとも中途半端
な計時が特徴です。 とりあえずクォーツ化をしたけど、実は機械式といった「妙な和洋折衷」な雰囲気を醸し出している点が、当時の
「試行錯誤」を感じさせます。
一般にクォーツの時計は、メンテナンスフリーに近い使い方が可能ですが、あえて、
セミ・クォーツ(セミ・メカニカル)と呼ばれるものは、機械式と同じ頻度でのメンテナンスが必要と言われています。
デカ厚
流行だし、デザインのセンスと趣味の
問題なの で、その善し悪しは「なんとも言い難い」のですが、モノにはバランスというものがあるかと....
【寄り目】を参照のこと。
ホイヤー
タグ・ホイヤーとしてお馴染みの方が
多いかと思 いますがが、80年代前半ごろまでは、「タグ」の付かない「ホイヤー」でした。
タグ社と提携して、タグ・ホイヤーと社名が変更となり、ロゴなども変わりました。昔の時計では「タグ」の付かない「ホイヤー」の時計を今でも
見ることができます。
ホイヤーは、実は最初にクロノグラフを開発した、その筋ではパイオニアなメーカーだったりします。
’99年には、LVMHに
買収されて しまいま
したが、名前はそのままの「タグ・ホイヤー」ですね。 買収されたあたりから、過去の名作の復刻をする回帰路線的戦略からか、ダイヤルには
「タグ」を載せずに、「ホイヤー」のみの製品も出回っていますね。
’80年代ごろまでは、貧乏学生でも「なんとか手の届く」、初めて買う
「スイス製ブランドウォッチ」という入門的な意味では定番であり、価格も比較的廉価なモノがラインナップされているブランドでしたが、
LVMH傘下になって 以降、今ではすっかり高級ブランドの仲間入りですね。
メルキューレ
Mecure(メルキューレ)
ミネルバ社の登録してある商標の一つです。
他に、登録商標としてARIANA, FAVERGES, HERTHA, ・・・・と多々あります。
Mecure(メルキューレ)ブランドのミネルバの時計って、雑誌で「個人所有」のコレクションとして紹介されたのしか見たこと無いです。
よほど、気合いを入れないと店頭では見つからない珍しい存在なのでしょうかね? 日本への輸出が少なかった? そもそも生産数が少なかっ た?
まあ、私の持っているMecure(メルキューレ)ブランドのムーンフェーズ付きクロノグラフも、当時で月産50個なんて言っているぐらい
だったし、そもそも流通量が少なかったということですかね。
ところで、Mecure(メルキューレ)って販売戦略の都合で、ブランド名をミネルバと分けたのかと推察できますが....? SEIKO
がALBAと言う別ブランドを使っていたりするのと同じと思えばわかりやすいでしょうか!?
寄り目 【よりめ】
オーデマ・ピゲのアンティーク腕時計
で、パーペチュアル・カレンダーのグランド・コンプリケーションモデルは、インダイヤルが、時計の中心に寄っている、その独特のデザインから
人気が高く、ファンの間では、ピゲの「寄り目」の愛称がつけられていますが、ここで言うのは、そのピゲのパーペチュアル・カレンダーの愛称の
ことではありません。
ここで言うのは、昨今流行のデカ厚時計への個人的な皮肉です(笑)
最近はデカ厚時計のブームの中で、時計のケースを大きく厚くしているけれど、中身であるムーブメントに関しては、レギュラーサイズの丸形
ムーブメント等 を、そのまま載せていたりします。 ちなみに、角形のデカ厚もこの例に漏れなかったりしていますね。
余談になりますが、昔の機械式腕時計の全盛期のときは、角形ケース
にレギュラーサイズの丸形ムーブメントを、そのまま入れるとケースサイズが大きくなりすぎることから、角形へは、丸形の小型ムーブメント(
例えばパテックのCal.10-200やタカノのCal.221)とか、ケースの形に合わせて角形ムーブメント
を別途に設計・製造するといった手間をかけていました、が、昨今は、そんな手間の掛かることはことはせず、各社とも、「つぶしのきく
レギュラーサイズ」のムーブメントをそのままポンッと搭載....まあ、デカ厚が流行であるので、ケースサイズが大きくなりすぎる、なんて事は気に
しなくてもいいわけで、作る側にしてみれば、デカ厚は、レギュラーと同じムーブメントで2パターンの時計を作れる、一粒でで二度オイシイとい
うことですね。 おっと、余談が長すぎ (^^;)
昨今のデカ厚は、レギュラーサイズのムーブメントをデカいケースに搭載していることが多くありますが、せっかくデカ厚なんだから、
ムーブメントも専用の大きいものを作ればいいのにと、私などは思います。 でも、そこまでやる気合いの入ったメーカーは少ないですね。 でもって、
デカ厚のケースに、サイズ的に本来ならば不相応なレギュラーサイズのムーブメントを入れることが多々あります....
レギュラーサイズのムーブメントをデカいケースに搭載している場合、3針のセンターセコンドのタイプならば見た目では問題ないですが、
スモールセコンド等のインダイヤルがあるモデルは、ムーブメントの構造
上、必然的にインダイヤルが時計の中心に寄っている、いわゆる「寄り
目」状態となります、
これは、最近のデカ厚時計によく見られる、「かっこ悪い」顔の特徴だったりしますね....あの「寄り目」なデザインはどうでしょうか....
また、それを隠すかのごとく、妙に幅広なベゼル部分と か、微妙に間延びしたダイヤル及びインダイヤルのインデックスと か、インダイヤルの直径が不自然に大きくてバランスが悪い(
逆に、インダイヤルの直径を大きくしないでいると不自然にインダイヤルが小さく見えるし....)、レギュラーサイズのムーブメントを大きなサイズの腕時計
に使ったことによる寄り目を誤魔化そうと、
頑張ってデザインしているのでしょうけど、う〜ん....どうにも、不自然でバランスが....
この傾向は、とくに、時計専業のメーカーでは無いところ(ファッションブランド・アパレル系とか)が、「高級時計」って流行っているので、
「うちのブランドもトータルコーディネイトで時計も作ろう」とか言って、とりあえず汎用ムーブメントで「やっつけで、
作ってみた」時計に、その傾向がありますね。
やはり、大きい時計には、専用の大きいムーブメント、小さい時計には小さいなりのムーブメントがいいですな。 というか、「デカ厚専用ムーブメントの
開発をした」なんて言ったら、話題性でウケがいいと思うのですが.....(パネライは自社生産へシフトしてやってくれましたね、
復刻ブランドの様なモノですが気概を感じます)。
でも、マニアへのウケだけでは「食べていけない」のも世の中ですし、結局、大人の事情ですね orz
リシュモン
リシュモン(
CIE FINANCIERE
RICHEMON-BR A)は スイスの企業グループで、かつての
カルティエ・
ヴァンドゥーム・グループを包括す る、高級ブランドのコングロマリットです。
カルティエを はじめ、
ピアジェ、
ヴァン・クリーフ&アーペルといった
著名な宝飾関連ブランド、時計メーカーでは、
パ ネライや
バシュロン・コンスタンタン、
かつての
LMHグ ループ(
IWC、
ジャガー・ルクルト、ランゲ&ゾーネ)、さらには、高級筆記具 メーカーの
モンブラン、といった、日本でもお馴染み
のどこかで聞いたことのある著名な高級ブランドをイッパイ傘下に しています。 小さいメーカーな がらも、マニアに高い評価をされていた、あの「
ミネルバ」も傘下納めました。 リシュモンのさらなる詳細は
コチラから。
ちなみに、"
投資信託"という
金融商品には、
カルティエ(
リシュモン)、
ルイ・ヴィトン(
LVMH)、
ブルガリ、
ティファニーや
BMW、
ポルシェ等、
高級ブランド企業へ
投資をする 商品があります。
投資信託を通じて、高級ブランド企業へ
投資をすることで、間接的な
株
主・オーナーになれるという、けっこうリッチな「
気分」
が味わえたりします。 まあ、一庶民としては、気分よりも「収益」が大事なのですが、'07年のサブプライムローン問題に始まる金融不安と
混乱、'08年の
投資銀行「
リーマン・ブラザーズ」破綻以降の世界的な
株価の暴落の煽りを受けて、
基準価額も
収益も
「なんだかな〜」といった状態ですが orz ここは、「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び」、
アホルダーに徹するか....
といった状況の
中で、アメリカ・EUなど先進国への投資は、高級ブランドに限らず、にっちもさっちも行かないですが、新興国は元気いいですね〜。 「底を打った!?」と
かささやかれ出したあたりから
新興国への投資は早くも含み益がでています、それと新興国の富裕層が高級ブランド企業の製品を購入するから、株価はともかく企業収
益はさほど悪くないというのが救いです....が、ここ最近、全般的に持ち直してきましたね〜 と思いきや、EU各国の債務の動向が気になる
昨今ですが。
【参考:
LVMH,
LMH,
スウォッチ・グループ】
リダン
リフィニッシュ・ダイヤルの略語。 和製英語なので日本の時計業界でしか通用しない言葉だそうです。
狭義では、経年変化をして傷んで視認性の劣ってしまったダイヤルを「元の
状態に」修復することをいいました。
機械式の時計は、修理を繰り返し、長きにわたり使う(使える)モノなので、ダイヤルの修復も本来は「長く使うためのメンテナンス」の
一つです。
「どんなに古くても、メンテナンスを断らない」ことを標榜する、極限られた超高級メーカでは、メーカーの純正メンテナンスのメニューに
含まれていたりも します。
ただし、アンティークにおいては、オリジナル性を重要視する人もいますので、よほど視認性に劣る(著しい腐食とかで見るに堪えない)
ことでも無い限り は、リダンはしない方が無難といえる状況かと(メーカー純正リダンでも、本来の「味わいが無くなる」と言う人もいますし)
広義では、大まかに言って、3つのリダンに分けることが出来ます。
1) 古くなり視認性が著しく劣ったダイヤルを修復する目的のリダン(元のダイヤルを忠実に再現する、本来のリダン)
2) 販売されていた当時は、本来のメーカー純正の製品では、存在しないダイヤルにする、いわば個人的な特注品(カスタムリダンともいいます)
3) 別の製品のダイヤルに似せて作る、または全く同じに様に作り替える(つまりは、偽物を作る)
二つめの、カスタム・リダンは、(メーカでのメンテナンスが断られる等リスクを承知の上
で)個人で楽しむ範疇ならば、全く問題はありませんが、「そんなモデルあるわけ無いじゃん」と、世間で周知されていないような微妙なカスタム・リダンがさ
れると、それらが、市場に流出した際に、人手を渡り歩いて流通して行くうちに、リダンであることが忘れ去られて、極めて少量だけ生産され
た、レアなモデル
と誤解されしまう危険があったりもします(結局のところ、本物だったロレックスのGMTマスター・ホワイトダイヤルは、そのレアさから、
発見当時はカスタ ム・リダンではないかと、逆に疑われていましたね)
そして、あきらかに問題があるのは、三つめに上げたやり方ですね。 レアものと呼ばれる実在する
時計の偽物を作り出 すための方便として「文字盤を修復した」つまりは「リダンを
した」といったふれ込みで、もともと、その時計が持っていた「顔」とは別の顔(現存するレアな顔)に変化した、極めて怪しい商品が世に
出回ることになりま す。
有名なところでは、ロレックスのエアキングのダイヤルを改造して、エクスプローラ1・ボーイズの顔になり、「リダンされた
エクスプローラー1・ボーイズ」といったふれ込みで売られているなんてことが
ありましたね。 エアキングもエクスプローラー1・ボーイズも同じリファレンスなので、こうなると真贋の区別が極めて難しくなります....
(昔は、エクスプローラ1のボーイズサイズなんてホントにあるのか?と、冗談めかして言われるほどに市場では見かけないモデル
でしたが、本家エクスプローラ1の流行とともに、一時期、市場に沢山出回りましたね。 で、どいつもこいつも、リダンだったりして)
また、ロレックスの赤サブや、ティファニー等のダブルネーム等のレアものの「偽物を作る」ための方便としてリダンをだしに使われること
もありますね。
レアものなんかは、それこそオリジナル性が重要視されるのに、リダンなんてもってのほか(いや、持ち主の気持ちですか....実用品として
使うからこそ、 綺麗な状態が良いという方もいます、
私は極力オリジナル性が保たれていればイイかなと、逆にリダンされているが故に価格が若干安めで入手しやすかったりということもあります し)
偽物を作るための改造を施す事に対して、「リダン」ということばが頻繁に使われてしまったことで、最近は、リダンが著しく悪いイメージに
なってしまったことは残念でなりません。